S&P500から始めてオルカンに乗り換えたら、結果的に両刀使いになった話

投資

「S&P500 vs オルカン」論争に、最初の選択を貫く必要はない

投資界には永遠に決着のつかない論争があります。それが「S&P500 vs オルカン」です。

ネットを開けば「米国一強だからS&P500」「いや、世界に分散すべきだからオルカン」と、毎日のように議論が繰り返されています。40代で投資を始めた管理人も、最初は「どちらか一方を選んで貫かなければいけない」と思い込んでいました。

結論からお伝えすると、管理人は新NISAを2025年5月にS&P500で始め、2026年からオルカンに乗り換えました。ただし過去のS&P500ホールド分は売却せず保有継続しているので、結果的にS&P500とオルカンを両方持つ状態になっています。

そして、この「両方持っている状態」が、想像以上にメンタルを安定させてくれることに気づきました。

この記事では、なぜ乗り換えたのか、両方持つことでどう心境が変わったのか、これから新NISAを始める方へのヒントを、管理人の体験ベースでお伝えします。

悩んだ末、最初に選んだのはS&P500

2025年5月、管理人が新NISAをスタートさせたとき、最初の選び方はとてもシンプルでした。

「過去20年の年利が一番高いのはS&P500らしい」。それだけの理由でした。

選んだ商品は eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。当時の管理人は「米国経済は今後も世界をリードし続けるはず」と素直に信じていましたし、SNSや投資系YouTubeでも「迷ったらS&P500」という声を多く見かけていました。

毎月コツコツ積み立てる設定を済ませ、しばらくは何も考えずに放置するつもりでした。

S&P500とオルカンの基本的な違い

そもそも、この2つは何が違うのか。簡単に整理しておきます。

項目 S&P500 オルカン(全世界株式)
投資対象 米国の代表的な大企業約500社 先進国・新興国を含む世界の株式
米国比率 100% 約60%(残りは日欧・新興国など)
過去のリターン 近年は高い S&P500よりやや低め
分散の効き方 米国に集中 世界全体に分散
向いている人 米国の成長を信じる人 世界全体に賭けたい人

当時の管理人はこの表を見ながら真剣に悩みましたが、最終的に「過去のリターンが高いほうにかけてみよう」とS&P500に決めました。

1年運用して感じた、3つの違和感

ところが運用を始めて1年も経たないうちに、管理人の中で3つの違和感が育っていきました。

違和感①:2025年の年利でオルカンに負けていた

定期的に運用状況をチェックしていると、ある事実に気づきました。2025年の年利を見比べると、オルカンのほうがS&P500より高かったのです。

「過去20年の実績ではS&P500が勝っている」という前提で選んだはずなのに、肝心の自分が運用している期間ではオルカンに負けている。これはじわじわ効いてくる違和感でした。

もちろん1年だけの数字で判断するのは早計です。それでも「なぜ、より高い方を選ばなかったのか」という気持ちは、消そうとしても消えませんでした。

違和感②:S&P500への雑音が増えてきた

2つ目はネット上の空気感です。

新NISA開始当初は「S&P500」の声が大きかったのに、相場が荒れる場面が増えるたびに、「米国一極集中はリスクが高すぎる」「S&P500信者は危ない」「覇権国家は永遠には続かない」といったネガティブな意見をYouTubeやニュース記事で目にするようになりました。

本来、長期投資は他人の意見に振り回されないのが鉄則です。それでもYouTubeやニュース記事で雑音的に触れる機会が増えると、精神的にこたえることはなくとも、選択への迷いが生じてきたのは事実です。

「自分の選択は正しかったのか」と、迷う場面が少しずつ増えていきました。

違和感③:米国以外の株価が上がっていてモヤモヤ

3つ目は、ニュースを見ていて感じたモヤモヤです。

日本株が史上最高値を更新したり、欧州やインド市場が好調だったりするニュースを目にするたびに、「自分が持っているのはS&P500だけだから、この上昇の恩恵は受けていないんだな」と感じるようになりました。

世界の株式市場で何かポジティブな話題があっても、自分のポートフォリオには米国分しか入っていない。この「取り残されている感」は、思っていた以上にストレスでした。

2026年、新NISAをオルカンに乗り換えた

3つの違和感が積み重なった結果、2026年から新NISAの積立先をオルカンに変更することを決めました。

選んだのは eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。新NISAの定番中の定番です。

ここで重要なのは、過去にS&P500で積み立てた分は売却せず、そのまま保有継続しているという点です。

新NISAは長期で育てる制度ですから、わざわざ売却して機会損失を増やす必要はないと判断しました。むしろ、これまで積み上げたS&P500分はそのまま運用を続け、新規の積立だけをオルカンに切り替える形にしたのです。

結果として、管理人のポートフォリオは下記のような構成になりました。

  • 新NISA(2025年5月〜2025年末積立分):eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)— 保有継続
  • 新NISA(2026年〜の新規積立):eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • iDeCo(当初〜現在):楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド

狙ってそうしたわけではありません。それでも結果的に、S&P500とオルカンの両方を保有する形になっていました。

両方持っている今、感じている3つの安心感

そして、両方持つようになって気づいたのは、どんな相場でも肯定的に受け取れるようになったということです。具体的には、3つの安心感があります。

安心感①:世界中の株が上がっているニュース → オルカンで嬉しい

日本株や欧州株、新興国市場が盛り上がっているニュースを見ても、「オルカンに含まれているから、自分の資産にもプラスになっているはず」と素直に喜べるようになりました。

S&P500だけ持っていた頃の「取り残されている感」がきれいに消えたのです。

安心感②:S&P500が期待通り好調 → 既存分で嬉しい

米国市場が好調なニュースを見れば、それはそれで嬉しい。過去に積み立てたS&P500のホールド分が、しっかり恩恵を受けてくれるからです。

「乗り換えたとはいえ、米国を捨てたわけじゃない」という感覚は、想像以上に心強いものでした。

安心感③:S&P500が不調 → オルカンでカバー、安心

逆に、米国市場が低迷したり、米国一極リスクが顕在化するような場面でも、オルカンに含まれている他地域の株がカバーしてくれるという安心感があります。

「全部下がったら全部下がる」のは変わりませんが、「米国だけが下がった」場面では、オルカン分が下支えしてくれる。これがメンタルにとてつもなく効きます。

さらに、オルカンは時価総額加重で構成されているので、仮に米国の覇権が揺らいでも、投資比率を自動で調整してくれるのも大きなメリットです。自分で銘柄を入れ替えなくても、世界の主役交代に勝手に追随してくれる構造になっています。

つまり、両方持っていることが「メンタルのリスクヘッジ」になっているのです。リターンの最大化ではなく、心の安定の最大化。長期投資にはむしろこちらのほうが大事かもしれません。

これから新NISAを始める人へ:3つのタイプ別おすすめ

ここまで管理人の体験を書いてきましたが、これから新NISAを始める方に向けて、選び方の整理をお伝えします。

S&P500が向いている人

  • 米国の成長力を強く信じている
  • 過去最高クラスのリターンを狙いたい
  • 下落局面でも揺らがず、自分の判断を貫ける

オルカンが向いている人

  • 世界全体に分散したい
  • 米国だけが下がる場面で受けるダメージを減らしたい
  • 「迷ったら一番無難な選択」をしたい

両方持つのが向いている人

  • すでにどちらかを持っているが、違和感が出てきた
  • リターンよりメンタルの安定を重視したい
  • どんな相場でも肯定的に受け取れる状態を作りたい

大事なのは、「最初に選んだものを意地で貫く」のではなく、状況に応じて柔軟に選び直すという姿勢です。新NISAは長期戦ですから、途中で軌道修正しても全く問題ありません。

ただし軌道修正のときは、これまで積み立てた分は売却せず、新規の積立だけを切り替えるのが管理人のおすすめです。長期で運用を続ければ、複利の力で既存分もしっかり育ってくれます。

まとめ:選び直してもいい、大事なのは「続けること」

管理人はS&P500からオルカンに乗り換えました。それでも過去のS&P500分は手放さず、結果的に両方持つことになり、これが想像以上に精神的な安定をもたらしてくれています。

長期投資で本当に大事なのは、「最初の選択を貫くこと」ではなく「やめずに続けること」です。続けるためには、メンタルが安定している状態が欠かせません。

もし今「S&P500を選んだけれど、なんとなくモヤモヤする」と感じている方がいれば、新規積立だけオルカンに切り替えて、両方持ってみるという選択肢もあります。

正解はひとつではありません。状況に応じて選び直す柔軟さが、40代からの資産形成では何より大事だと、管理人は実感しています。

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