投資の暴落で動揺しないための心構え|過去データと実体験から

投資の暴落をイメージした荒れる海と砕け散る波の白黒写真 投資
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新NISAで投資を始めた人の多くが、まだ本格的に経験していないものがあります。資産が一気に30%以上減る大暴落です。

直近では2025年4月のトランプショック(関税発表による急落)がありました。ただ数ヶ月で戻った中規模の調整で、リーマン級・コロナ級の本格的な暴落は、新NISA勢の多くがまだ経験していません。

管理人は、トランプショックの混乱が落ち着き始めた2025年5月から新NISAをスタートしました。最初の数ヶ月は「これからどっちに転ぶか分からない」という不安を抱えながらの積立。それから1年、総資産は574万円まで積み上がりましたが、心のどこかで「いつか、これが半分になる日が来るかもしれない」と考えています。

この記事では、過去の暴落データと、過去に課金で大金を失った経験を持つ管理人の視点から、暴落が来た時にどう構えれば良いかを書きます。

この記事で伝えたいこと

  • 暴落は必ず来る(来ないと信じる方が無理がある)
  • でも、過去のデータを知っていれば、来た時の反応が変わる
  • 知識として持っているかどうかが、長期投資家として続けられるかの分岐点になる

過去の暴落、実際どれくらい下がったか

新NISAで投資を始めた人にとって、過去の暴落データは抽象的な数字になりがちです。具体的にイメージできるよう、主な暴落をまとめます。

リーマンショック(2008年)

  • ピークから底値まで:-58%
  • 下落期間:約1年5ヶ月(2007/10〜2009/3)
  • 元の水準に戻るまで:約5年5ヶ月

仮に1,000万円持っていたら、底値で約420万円。約580万円が一時的に消える計算です。

ドットコムバブル崩壊(2000-2002年)

  • ピークから底値まで:-49%
  • 下落期間:約2年6ヶ月
  • 元の水準に戻るまで:約7年

リーマンより回復に時間がかかった暴落。テック株の割合が高い人は特に厳しかった時期です。

コロナショック(2020年)

  • ピークから底値まで:-34%(ドル建てS&P500)
  • 下落期間:約1ヶ月(恐ろしく速い)
  • 元の水準に戻るまで:約半年

歴代でも珍しいスピード。下落も速いが回復も速かった暴落です。

2022年金利上昇局面

  • 主要株価指数:-25%程度
  • NASDAQ100:-33%
  • 下落期間:約1年

地味ながら、テック株中心の人にはコロナショック以上のダメージがあった暴落。

トランプショック(2025年4月)

  • 主要株価指数:-10〜15%程度
  • 下落期間:約2週間(急速な下落)
  • 元の水準に戻るまで:数ヶ月

関税発表による急落。新NISA勢にとっては「初めての含み損」を経験した人も多かったはず。下げ幅としては過去の本格的暴落に比べると小さめだが、「投資した直後に資産が減る恐怖」を体感する機会になった出来事。

円建てだとどうか(重要)

これらの数字は米ドル建ての下落率です。日本人投資家の多くは円建てで投資しているため、円安局面では下落率が緩衝されます。

通貨 下落率(コロナショック)
ドル建てS&P500 -34%
円建てS&P500(実投資) -20%
円高同時進行ケース(仮定) -50%以上の可能性

つまり、円安局面の暴落は意外と耐えられるけれど、円高×暴落の同時発生が一番怖いシナリオ、と覚えておくと良いです。

暴落時、頭の中で何が起きるか

数字よりも、実は心理面の方が厄介です。管理人はまだ大暴落を経験していませんが、ソシャゲ課金の失敗から学んだ「お金が消える時の人間の脳」について書きます。

パターン1:「もう少し待てば戻る」凍結

資産が日に日に減っていく。「動かなければ損失は確定しない」と思い、放置する。これ自体は正しい判断ですが、毎日アプリを開いて含み損を眺める行為が精神を削ります。

パターン2:「全部売って現金にしたい」衝動

「これ以上減るのは耐えられない。一旦現金化して、底値で買い直そう」と考え始める。

問題は、底値は誰にも分からないこと。売った直後に反発することもあれば、さらに下がることもある。タイミングを当てるのは、専業トレーダーでも難しい話です。

パターン3:「やっぱり投資はリスクだ」周囲の声

暴落時、メディアと周りの人がこぞって「だから言ったのに」「現金が一番」と言い始めます。暴落直前まで「投資すべき」と煽っていた同じメディアが、です。

これに引きずられると、長期投資の前提が崩れます。

パターン4:「分散したのに全部下がる」絶望

「リスクを抑えるために分散投資した」のに、暴落時にはほぼ全資産が同時に下がることがあります。コロナショックでは株式・債券・REITが同時に下落しました。

「分散の効果が出ない」と感じてパニックになる人も少なくありません。

暴落時にやるべきこと、やってはいけないこと

過去の暴落で生き残った投資家の共通点を整理します。

やってはいけないこと

  1. 全売却(パニック売り):暴落時に売ると、底値近くで売る確率が高い。売った後に反発すると、二度買い直せなくなる。
  2. 「下がりきってから買い直す」と決める:底値の判断は不可能。反発しても「もう少し待つ」と買い遅れる。結果、機会損失が膨大になる。
  3. アプリを毎日開く:含み損が日々増えるのを見るのは精神的にきつい。何もできることはないのに、感情だけ消耗する。
  4. メディアやSNSをチェックする:「リーマン再来」「世界恐慌」等の煽り見出しに引きずられる。「全部売った」報告ツイートを見て、自分も売りたくなる。
  5. 「今回は違う」と判断する:暴落のたびに「今回は構造的に違う」「資本主義が終わる」という言説が出ますが、過去の暴落でも毎回同じことが言われていました。「今回は違う」と感じたときほど、過去の人も同じことを感じていた、と思い出すのが定石です。

やるべきこと

  1. 何もしない:月積立は継続(給料からの自動引き落とし)。含み損は確定するまで「実損」ではない。過去の暴落も、すべて回復してきた事実を思い出す。
  2. アプリを閉じる:暴落期間(半年〜1年)はアプリを開かない。月1回、月末だけ確認する。余計な情報をシャットアウト。
  3. 生活防衛資金の安心感を確認:3〜5年分の生活費が現金であれば、暴落しても生活は続く。投資資産には手をつけずに回復を待てる。
  4. 過去のデータを冷静に見直す:リーマンショックでも約5年で元に戻っている。コロナショックは約半年。歴史的に、暴落から戻らなかった例はない。
  5. 暴落前にルールを決めておく:「下落X%で何もしない」「毎月X日に定額積立」など、平常時にルールを決めておき、暴落中は感情ではなくルールで動く。暴落の渦中で新しい判断をしないこと自体が安全装置になります。
  6. 信頼できる長期投資家の配信を見る:暴落時はメディアの煽り見出しに引きずられないよう、長期視点を持つ人の声を意識的に摂取するのも有効。管理人は両学長(リベ大)がまぐち夫婦S&P500最強伝説さん等の配信をよく見ています。「焦らず淡々と」「過去の暴落も戻ってきた」というメッセージを繰り返し聞くこと自体が、心の支えになります(※ 同じSNSでも「煽り見出しのメディア」とは性質が違うので分けて考えています)。

過去に大金を失った人間として、暴落をどう見るか

管理人は過去、ソシャゲ課金で大金を失った経験があります。これは戻ってこない損失でした。運営の調整一つで価値が消えるデジタル資産。

それと比べると、投資資産の暴落での含み損は、戻ってくる可能性が高い損失です。

種類 損失額 戻る可能性
ソシャゲ課金(過去の浪費) 確定損失 ほぼゼロ
投資資産の含み損(暴落) 含み損 高い(過去の歴史上)

この対比があるから、管理人は投資資産が暴落しても、ソシャゲ時代の絶望感ほどは凹まないと思っています。

一度本当のお金の消え方を見た人間は、「戻ってくるかもしれない損失」に対する耐性が変わります。これは強がりではなく、実体験の重みが心の支えになっている、という話です。

暴落は知識として持っているかが分岐点

暴落時、何もしないのが正解。これは何度も言われていることですが、「知識として持っている」のと、「ぶっつけ本番で直面する」のとでは、行動が全く違うはずです。

  • 知識として持っている人 → 「あ、これか」と冷静に受け止められる
  • 何も知らない人 → 「世界が終わった」とパニックで全売却する

管理人もまだ大暴落を経験していません。実際にその時が来たら、本当に冷静でいられるかは分かりません。

それでも、事前にこの記事のような心構えを書き残しておくことには意味があると思っています。書くこと自体が、自分の中の暴落観を整理する機会になります。

そして、この記事を読んだ誰か一人が、暴落で全売却するのを思いとどまれたら、書いた価値があります。

なお、ここまでの話は資産形成期(積立期)を前提にしています。FIRE達成後の取り崩し期に暴落が直撃する場合は意味が変わり、「シーケンス・オブ・リターン・リスク(順序リスク)」という別の問題が発生します。これは取り崩し戦略の話なので、ガードレール戦略の記事で詳しく書いています。

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