個人でできるセキュリティ対策は、まずこの6つ|総点検した管理人がやったこと

散らばった鍵を2つの金庫にまとめるイラスト・個人でできるセキュリティ対策のイメージ 投資

2026年の秋は、不正アクセスのニュースが続きました。個人情報保護委員会のまとめでは、2026年4月から10月16日までに、不正アクセスで漏えいした(漏えいのおそれを含む)個人情報は延べ約2億6,000万人分。10月は半月だけで、報告の件数が9月1か月分の倍を超えています。

10月には、FXの自動売買に使われる貸しサーバー(GMOインターネットの「お名前.com デスクトップクラウド」)に不正アクセスがあり、サーバーに保存されていた取引口座のログイン情報などが盗まれて、不正に使われた可能性があると発表されました。利用者からは、口座で身に覚えのない操作をされたという報告も出ています。

管理人は、2025年に証券口座の乗っ取りが騒がれたあと、楽天証券で「投資信託を買うこと以外」の取引を止めました。同じ2025年の5月ごろには、主要なサービスの登録メールもGmailに移しています。お金まわりの守りは、それでひとまず済んだつもりでいました。

ところが、今年の不正アクセスのニュースを受けて改めて調べてみると、まだまだの所がありました。3日ほどかけて全部点検すると、穴がいくつも見つかりました。昔からの同じパスワードをあちこちで使い回していて、Googleの「パスワード チェックアップ」で調べると、どこかで漏れたパスワードと一致したものまで出てきました。

直しながら整理してみると、個人レベルでまずやることは、次の6つでした。

個人でまずやる6つ

  1. メールをGmailに集約する
  2. パスワードを使い回さない
  3. 銀行・証券会社・Google・Appleなど主要な所は、二要素認証かパスキーにする
  4. パスワードは、GoogleやAppleのパスワードマネージャーに自動で作らせる
  5. 余計な持ち物を持たない(守る的を絞る)
  6. スマホやパソコンのOSを最新の状態に保つ

どれも無料でできます。各社の設定画面と、スマホやパソコンに最初から入っている機能だけで足ります。

点検してみたら、穴だらけだった

見つかったのは、どれも昔からそのままにしていたものです。

使っているネット銀行の1つは、パスワードだけでログインできる状態でした。パスワードは、チャットアプリのDiscordにメモしたり、パスワードが写った画面を画像で保存したりしていました。

管理人は以前、クレジットカードを不正利用されたことがあります。そのときはカード会社が止めてくれましたが、新しいカードに差し替えるまでの間がかなり不便でした。

ここからは、6つを順番に、管理人が実際にやったことと一緒に書きます。

1. メールをGmailに集約する

管理人は、もともとYahoo!メールをメインに使っていて、迷惑メールに悩まされていました。カード会社や通販サイト、税金の未払いを名乗る偽メールも、たくさん届いていました。メインをGmailに変えてからは、迷惑メールがほとんど来なくなりました。偽メールが目に入らなければ、うっかりリンクを押してしまうこともありません。

ただ、今回調べると、Yahoo!メールで登録したままのサービスが、まだいくつも残っていました。使うものは登録メールをGmailに移し、使わないものは退会しました。退会は、5つ目の「余計な持ち物を持たない」にもつながります。

まとめておくと、守る所も1つで済みます。ネットのサービスの多くは、パスワードを忘れたときに、登録してあるメールへパスワードを変えるための案内を送ってきます。もしメールに入られたら、その案内を使って、ほかのサービスのパスワードまで変えられてしまいます。なので、まとめた先のGmailは、二要素認証とパスキーで一番固くしています。

2. パスワードを使い回さない

同じパスワードを使い回していると、どこか1つのサイトから漏れただけで、同じパスワードのほかのサイトにも入られてしまいます。

自分のパスワードが漏れていないかは、Googleのパスワードマネージャーにある「パスワード チェックアップ」という無料の機能で調べられます。保存しているパスワードが、過去にどこかで漏れたパスワードと一致していないか(画面では「不正使用されたパスワード」)、使い回していないか、弱すぎないかを確かめてくれます。パソコンのChromeならパスワードマネージャーの「チェックアップ」から、ほかのブラウザでも passwords.google.com から開けます。

管理人の場合、「不正使用されたパスワード」と出たのは、昔から使い回していたパスワードでした。

警察庁は、2025年に検挙した不正アクセス事件のうち、他人のIDとパスワードを使ったもの(399件)について、それをどうやって手に入れたかを数えています。

手に入れた方法 件数 割合
パスワードの決め方や管理の甘さにつけ込んだ 84件 約21%
偽サイト(フィッシング)に入力させた 77件 約19%
他人から手に入れた 75件 約19%
元従業員や知人など、知り得る立場の人 61件 約15%
聞き出した・のぞき見た 35件 約9%

※警察が検挙した事件の数字で、すべての被害の内訳ではありません。

一番多いのが「パスワードの甘さ」で、約2割です。管理人の穴も、ほとんどがここでした。使い回していたパスワードは全部サイトごとに変えて、今はパスワード チェックアップで、不正使用されたパスワードも使い回しも0件になっています。

3. 主要な所は、二要素認証かパスキーにする

銀行、証券会社、Google、Apple。お金が直接動く所と、ほかのアカウントの元になる所です。ここだけは外さず、パスワードだけで入れる状態をなくしておきたい所です。

二要素認証(サービスによっては「2段階認証」と呼びます)は、パスワードのほかに、スマホに届く番号やアプリでの承認など、もう1つの確認をはさむ仕組みです。パスワードが漏れても、それだけでは入れません。

パスキーは、パスワードの代わりに、スマホやパソコンの顔・指紋・PINで入る仕組みです。登録した本物のサイトでしか使えないので、本物そっくりの偽サイトに誘導されても、そこでは使えません。上の表の「偽サイト」にも強いやり方です。

証券会社では、2025年1月から2026年9月までにネット取引への不正アクセスが約1万9千件あり、そのうち約1万件で勝手に売り買いされました(金融庁・暫定値)。これを受けて2025年10月に日本証券業協会のルールが改められ、ログインや出金ではパスキーなどの偽サイトに強い認証を初期設定で必須にすることになっています。

管理人は、パスワードだけで入れたネット銀行は、アプリで承認しないとログインできない設定をオンにしました。証券口座はパスキーにして、パソコンとスマホの両方に登録しています。片方をなくしても、もう片方で入れるようにするためです。

4. パスワードは、GoogleやAppleのパスワードマネージャーに自動で作らせる

Googleのパスワードマネージャーや、iPhoneの「パスワード」アプリには、サイトに登録するときにランダムなパスワードを自動で作って、そのまま保存してくれる機能があります。

自分で考えたパスワードは、どうしても覚えられる形に寄って、似たものになりがちです。自動で作らせれば、覚える必要がありません。次からは自動で入力されるので、手間もほとんど増えません。

管理人は、無料でできる対策として、パスワードはGoogleとAppleの2つに集約しています。Googleを選んだのは、実際にGmailを使ってみて、ほかのメールサービスより守りが固いと感じたからです。有料のパスワード管理アプリもありますが、使っていません。そのかわり、パスワードを預けているGoogleとAppleのアカウントは、二要素認証やパスキーで、ほかのどこよりも固くしています。預け先が破られると、中のパスワードが全部見られてしまうからです。

管理人がやっていた失敗は、パスワードの保存のしかたです。チャットアプリのDiscordに、パスワードをメモで書き込んだり、パスワードが写った画面を画像で貼ったりして保存していました。自分しか見られない場所でしたが、Discordのアカウントが1つ破られたら、そこにあるパスワードが全部まとめて見られてしまいます。今はパスワードマネージャーに移して、Discordの画像は消しました。

5. 余計な持ち物を持たない(守る的を絞る)

アカウントも口座もクレジットカードも、持っているだけで守る所が1つ増えます。逆に、持っていない口座は乗っ取られようがありません。使っていないものほど点検もされず、古いパスワードのまま残りがちです。

使っていないサービスの洗い出しは、パソコンを操作してくれるAI(AIエージェント)に手伝ってもらいました。Yahoo!メールの受信箱と、ブラウザに保存されたログインの一覧を読み込んでもらい、登録したまま使っていないサービスを挙げてもらって、退会の手続きは自分でしました。AIにメールを読ませるときは、読むだけなのか、送信や削除までできるのかを確かめてから使うのが安心です。AIを使わなくても、受信箱を「会員登録」「ご登録ありがとうございます」などの言葉で検索すると、登録したサービスを探す手がかりになります。

ほかにも不要なアカウントは廃止し、ブラウザの拡張機能も、15個のうち使っていない8個を消しています。拡張機能の中には、開いているページの中身を読めるものもあるからです。

持ち物が少ないと、偽メールにも気づきやすくなります。管理人のクレジットカードは楽天カード2枚だけなので、ほかのカード会社を名乗るメールが来たら、開く前に偽物だとわかります。カードのメールで気をつけるのは、楽天カードを名乗るものだけで済みます。Yahoo!メールに届いていた偽メールにも、持っていないカード会社や銀行を名乗るものがたくさんありました。

減らすと、守る的が絞れます。残ったものだけを、しっかり固めればよくなります。

6. スマホやパソコンのOSを最新の状態に保つ

OS(iPhoneならiOS、パソコンならWindowsなど)の更新には、見つかった弱点をふさぐ修正が入っています。古いままにしておくと、すでに知られている弱点を、そのまま突かれてしまいます。パスワードやパスキーを預けているのも、このスマホとパソコンです。管理人は、6つの中でもこれは外せないと思っています。

点検のときにパソコンを確かめると、入れていない更新が5件たまっていました。その場で入れて、再起動しています。iPhoneにいたっては、買ってから1年以上、OSを更新していませんでした。今はどちらも最新にしています。更新は、自動で入るようにしておくと楽です。iPhoneは「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「自動アップデート」、Windowsは「設定」→「Windows Update」から確かめられます。ブラウザやアプリの更新も同じです。

ウイルス対策ソフトは、管理人は別に買っていません。Windowsに最初から入っている「Windows セキュリティ」(Microsoft Defender)で十分だと考えています。たまっていた5件の更新の中にも、このウイルス対策の定義の更新が入っていました。OSの更新と一緒に、ウイルス対策の中身も新しくなる仕組みです。

お金の口座で、もう一段やったこと

6つのほかに、お金の口座では入られたときのことも考えて、次のこともしています。

証券口座は、2025年にかけた取引制限をそのまま続けています。楽天証券の「投資信託の買付以外を停止」という設定で、口座に入られても株の売り買いや投資信託の売却はできません。新NISAの積立は、この設定のまま毎月続いています。設定も解除も、登録している電話番号での確認が要ります。

メインの銀行は、振込の上限を50万円から10万円に、ATMで引き出せる上限も10万円に下げました。ふだんの振込は家賃くらいなので、これで足ります。カードが使われたときと、証券口座にログインがあったときには、スマホに通知が来るようにしています。

固めすぎると、自分が締め出される

やっていて思ったのは、セキュリティと便利さは両立しない、ということでした。

守りを固めるほど、他人には入られにくくなります。ただ、同じだけ自分も入りにくくなります。スマホを1台なくしただけでログインできなくなったり、解除の手続きに何日もかかったり。管理人は、乗っ取られる不安だけでなく、こうして自分が締め出される不安もすごく大きいです。

個人でできるセキュリティを突き詰めていくと、他人からの攻撃への不安と、自分のミス(スマホの盗難や紛失など)で締め出される不安の、バランスをどうとるかという話になる。やってみての、管理人の考えです。

なので、全部をいちばん固い設定にはしていません。パスキーは片方をなくしても入れるように2か所に作り、取引制限は取り崩すときに解除する手間を許せるからかけています。スマホをなくしたときに何をどの順番でやるかも、書き出して一部は試しました。

やってみて

点検が終わったとき、すごくスッキリしました。

やったことの多くは、一度決めてしまえば、あとはふだんどおりに使えるものです。積立も止まっていません。

チェックリスト

  • □ メールをGmailに集約する
  • □ パスワードを使い回さない
  • □ 銀行・証券会社・Google・Appleなど主要な所は、二要素認証かパスキーにする
  • □ パスワードは、GoogleやAppleのパスワードマネージャーに自動で作らせる
  • □ 余計な持ち物を持たない(守る的を絞る)
  • □ スマホやパソコンのOSを最新の状態に保つ

※2026年11月時点の情報です。設定の名前や手順は変わることがあるので、使っているサービスの公式ページで確認してください。

参考にした資料

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